2018年11月17日 23:45 - 00:35

あなたには渡さない #2

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正妻vs愛人の壮絶バトル!夫を奪った愛人(水野美紀)から6千万を引き出した通子(木村佳乃)は、平凡な主婦から女将へ華麗なる変身を遂げる!しかし愛人の仕掛けた罠が! 夫・旬平(萩原聖人)の愛人・多衣(水野美紀)から6000万円を借りることになった通子(木村佳乃)は、金が用意できるまでの間、多衣の紹介で金沢の旅館に泊まる。しかし、そこには多衣の仕掛けた罠が…!その後、新生『花ずみ』の開店準備をする通子と旬平の前に、通子の幼なじみ笠井(田中哲司)が様子を伺いに訪問。さらに多衣までが現れ、四角関係の当事者が一堂に会する修羅場に!そして、いよいよ開店初日を迎えるが…!? 上島通子…木村佳乃  矢萩多衣…水野美紀  矢場俊介…青柳翔  立石佐知子…宮地雅子  上島一希…山本直寛  上島優美…井本彩花  前田秀治…柴俊夫  堀口八重…荻野目慶子  大角六扇…横内正  笠井芯太郎…田中哲司  上島旬平…萩原聖人 連城三紀彦『隠れ菊』(集英社文庫刊) 龍居由佳里 植田尚 沢田完    【主題歌】chay feat. Crystal Kay『あなたの知らない私たち』(Warner Music Japan)  【オープニングテーマ】FAKY『Last Petal』(rhythm zone) 【ゼネラルプロデューサー】黒田徹也(テレビ朝日)  【プロデューサー】川島誠史(テレビ朝日)、清水真由美(MMJ) ☆番組HP   https://www.tv-asahi.co.jp/anawata/  ☆Twitter   https://twitter.com/anawata_ex  ☆Instagram   https://www.instagram.com/anawata_ex/ 木村佳乃 / 水野美紀 / 青柳翔 / 宮地雅子 / 山本直寛 / 井本彩花 / 柴俊夫 / 荻野目慶子 / 横内正 / 田中哲司 / 萩原聖人 / 龍居由佳里 / 植田尚 / MMJ

〈高級料亭花ずみに嫁いで20年〉
〈上島通子は女将のキクからのけ者にされてきた〉
〈しかしキクが死んで1年後板長である夫の旬平の愛人矢萩多衣の出現で人生は一変する〉
矢萩多衣わたくしご主人をいただきにまいりました。
〈すでに旬平のサインがしてある離婚届を目の前に通子が出した条件は…〉
上島通子私…この花ずみの女将をやらせてもらいます。
あなたには渡さない #2
上島旬平妻なら今の俺を振り返ったらどうだ?
〈だが花ずみは借金を抱え倒産する事が決まっていた〉
〈旬平は借金を通子に背負わせない事も理由に偽装離婚をする決意をしていたのだ〉
馬鹿にしないでよ!
離婚届は昨日出してきました。
その婚姻届6000万円で買ってください。
あっ…。
ご主人を金で売ろうとおっしゃるの?
まさか…。
旬平を売る気なんて毛頭ありません。
離婚はあくまでも借金のための偽装ですから本当に別れるわけではありません。
ただその婚姻届を担保に6000万円お借りしたいだけです。
安いものでしょ?
あなたには渡さない #2
だってあなた前に1億払ってでも旬平を手に入れたいとおっしゃってましたものね。
あっ…フッ。
奥さんやっぱり商売上手だわ。
そう言えば私が払うと思ったんでしょ?
でも残念ながら6000万円も支払う価値はありません。こんな紙切れ。
旬平さんとの結婚はお金に関係なくいつか自分の手でつかみ取ります。
ところで一体6000万も何に使うの?
料理屋をやります。
私が新しい花ずみを始めます。
花ずみを?
あなたには渡さない #2
それ旬平さんは知ってらっしゃるの?
もちろん承知してますよ。
だって板前として働いてもらいますから。
♪~
新しい花ずみのために6000万円が必要なんです。
わかりました。
ただ6000万円ともなるとさすがにすぐに手元にはそろいません。
明日までこちらで…金沢で待っていただけますか?
堀口八重長々お世話になりありがとうございました。
矢場俊介板長。また店やる時絶対呼んでくださいよ。
すっ飛んできますから。(八重)あら。
その時はちゃんと私も呼んでくださいね。
あなたには渡さない #2
あっ…ああもちろん。
本当にありがとうございました。
矢場じゃあ失礼します。
〈その晩私は矢萩多衣の紹介でその宿に来ていた〉
奥にお布団を用意してあります。
どうぞごゆっくりお過ごしください。
どうも。失礼致します。
九谷焼?
お銚子の九谷焼に似た派手なお布団でした。
あなたには渡さない #2
そのお布団の中でお互いのぬくもりを分け合った時の幸せだった事…。
携帯電話の着信音
はい。
「いかがです?小さいけどいい旅館でしょ?」
「気に入っていただけたかしら?」
あの…この旅館…。
お気づきになりました?その部屋。
「お気づきになってるのね」
そう。そこ…私と旬平さんがいつも泊まっていた部屋です。
「無神経だとお思いになる?」
あなたには渡さない #2
「それとも私が見せつけたがってるとでも…」
そう。
見せつけたがっているというのはあるかもしれませんね。
だってあなた私と旬平さんとの本当の関係を見ようとなさらないから。
「私と旬平さんが一緒にくるまったかもしれない布団で寝るのは元奥さんには少しつらいかもしれませんけどどうぞゆっくりお休みになってくださいな」
「じゃあ失礼します」
電話が切れる音
♪~
(矢場の声)けど今でも信じられないですよ。
あなたには渡さない #2
あの旬平さんに愛人がだなんてショックだよな~。
相手は「笹流れ」のやり手社長らしいからね。
本当ですか?
旬平さん職人っていったって女将さんから溺愛された花ずみの3代目のお坊ちゃんだもん。
ひとたまりもなかったんじゃない?
いや…それにしたって奥さんが気の毒すぎますよ。
真面目な人ほど女の沼にはまりやすいからね。
矢場くんも気をつけなさいよ。あんたも真面目くんだから。
自分はそんな事…。あら!
男と女何が起こるかなんてわかんないものよ~。
あなたには渡さない #2
いや…。
あら?目が赤くない。
ええ。とってもよく眠れましたから。
あなたやっぱりずぶとい人ね。
フッ…。
よその家庭を壊す人ほどじゃありません。
フフッ。
それでお金の事なんですけど。
はい。
借りる算段はついたんですけど先方もすぐには現金を用意できなくて。
それが今日中に入り次第あなたの口座にお送り致します。
ただし…利子はいりません。
この6年間の私の慰謝料だと思ってください。
そうはいきません。ちゃんと利子はお支払いします。
このお金の貸し借りはあくまでもビジネスと考えてください。
通子さん。
あなたには渡さない #2
あなたやっぱり甘いわ。
そのビジネスにあなた今もう負けましたよ。
えっ?
私先方から利子はいらないと言われてるんです。
だからあなたにもいらないと言ったのに。
あなたはつまらない意地でみすみす得を逃したばかりか憎い私を儲けさせる事になるなんて。
別に私は初めから利子はお支払いするつもりでしたから。
あなたがそれでいくら儲けようが私の商売には関係ありません。
♪~
わかりました。
利子もいただきます。
甘くて怖いもの知らず…。
でもその素人考えが逆に強みになるかもしれないわね。
あなたには渡さない #2
あなたもしかしたら化けるかも。
上島通子…。
この6000万の担保はあなた自身よ。
あなたに賭けてみたくなったわ。
それと担保をもう一つ。
♪~
えっ…?
♪~
私一つだけ嘘ついてました。
この女将さんの帯本当は私がいただいたものじゃないんです。
私に使ってほしいからって持ってきてくださって。
あなたには渡さない #2
女将さんが亡くなる少し前お見舞いに行った時に頼まれたんです。
もし自分が死んだらこれをあなたに渡してほしいって。
私に?ええ。
これは嫁の通子に一番似合う帯だっておっしゃって。
地味で…なんの変哲もない女だから。
♪~
きれい…。
女将さんのお姑にあたる人が病気で余命いくばくもなくなった頃にこっそりと喪服の帯の裏にこの花を咲かせたそうです。
大嫌いな姑の葬儀で締めるために。
義母が自分で刺繍したんですか?
あなたには渡さない #2
ええ。
お姑さんの死ぬまでの時間を一秒ずつ数えるように一針ずつ。
本当にその針がお姑さんの命に一本ずつ突き刺さっていって私が姑を殺したようなもんだって。
そんな冗談もおっしゃってたわ。
義母はなんでこれを私に?
この菊が語っている言葉はあなたの耳でお聞きになってください。
私には「あなたを通子さん以上にかわいがってきたけれどしょせんあなたは息子のただの愛人で花ずみも旬平も通子さんのものだ」って言ってる女将さんの声に聞こえます。
♪~
この帯をこの菊をもう一つの担保にします。
あなたには渡さない #2
もしあなたが私に借金を返せなくなったらその時はこの帯は私のもの。
いいですね?
〈この女は帯を手に入れる事で旬平もお義母さんも自分のものにするというのだろう〉
〈矢萩多衣は旬平が本当は自分のものでない事を知っている〉
〈だからこそあの女は愛の戦いを商売の戦いにすり替え6000万の金に自分の愛を賭けたのだ〉
通子さん!
よかった。間に合った。
はい。これ小切手。
銀行から振り込みの連絡があってやっぱりどうしても直接渡したかったから。
あなたには渡さない #2
ありがとうございます。
じゃあこれで。
あっあの…。
私なんだかさっきあの旅館で女2人が憎み合いながらも裸で抱き合ったような不思議な気持ちがして…。
でもそうだとしても私あなたと手は握りませんから。
わかります。
私も似たような気持ちだから。
手はお貸ししますけど決して握りません。
♪~
あなたには渡さない #2
ここが新しい花ずみになります。
この店が駄目だとわかった時俺は花ずみとおふくろを自分から捨てようと思った。
でもお前がそうさせてくれないならまずはおふくろの顧客名簿を使って以前の常連客を頼るしかないだろう。
そのためにも料理人として一つ頼みがある。
何?
一日に一組だけでいい。
あなたには渡さない #2
予約を取ってちゃんとした懐石料理を出したい。
笠井芯太郎ではそういう事で。
あとくれぐれも…。
わかってます。
これでも今までずっとビジネスの世界で生きてきましたから口は堅いです。
失礼そうでしたね。
上島一希けどさ本当にいいの?ここで。
贅沢言ってられないわよ。
ここより広いとこは高いんだから家賃。
一希いやそうじゃなくてさ偽装離婚なんでしょ?
だったらお父さんと同じアパートの別の部屋借りるとかさ。
そうよ偽装よ。でもね偽装だからこそ疑われないようにきちんとケジメつけておかないとね。
上島優美馬鹿みたい。えっ?
自分がそう思いたいだけなんじゃないの。
あなたには渡さない #2
ちょっと優美あなたどこ行くの?
コンビニ。
ドアの開閉音
もう…。まあいきなりいろいろあったから混乱してるんだよ。
一希そのうち落ち着くって。
〈ここが新生花ずみとなる場所〉
〈いよいよ開店への準備が動き出すと兄嫁の佐知子さんが手伝いを買って出てくれた〉
笠井こんにちは。あっいらっしゃい。
立石佐知子あら笠井さんお久しぶり。
おお佐知子さん久しぶり。何?手伝いに来てるの?
ええ。旦那元気?
ええ。相変わらず元気だけが取り柄でございます。
2人の笑い声
近くまで来たから見させてもらおうと思って。
なかなかいい雰囲気じゃない。でしょ?
社長最高の仕上がり最低の料金で頼むよ。
あなたには渡さない #2
渡辺頑張ります。
ちゃんと正規で請求してくださいね。
携帯電話の着信音あっ!
ちょっと失礼します。(携帯電話の着信音)
渡辺もしもし。戸の開く音
けどやると決めたら早いなみっちゃんは。
あっまたフライングとか言う?
もしかしてあの運動会の?
そうそう。これが派手なフライングでさ。
佐知子なのに一度も止まらずゴールまで一直線でね。
私だってもう大人になりました。
中学や高校の時と一緒にしないで。
どうかな?猪突猛進は変わってなさそうだけどな。
佐知子そうね。
2人してもう!(3人の笑い声)
あっ…。
こちら笠井さん。
笠井です。その節はどうも。
こちらこそ。上島です。
土下座して心から謝ればきっと許してくれます。
あなたには渡さない #2
どうしてあなたにそんな事言われなきゃならないんでしょうか?
佐知子あっお茶いれましょうかね。
あっお義姉さんすいません。いいえ。
あの…ちょっといいですか?
あっ…はい。
♪~
♪~
あなたには渡さない #2
〈それからの私は店の開店準備に追われその合間に八重さんに頼んで着付けを習い…〉
〈女将への道を手探りで進むのに必死だった〉
あっすいませんご苦労さまです。
これどっちに置きます?あっじゃあ奥にお願いします。
はい。
♪~あなたには渡さない #2
〈そして新生花ずみの開店を翌日に控えた夜〉
うん。これも美味しい!
よかった。
ねえ私考えたんだけど2階で出す懐石コースの中の一品を下のお客さんにも提供するってどうかしら?
このお料理を食べた人がじゃあ次は2階で懐石料理をって思ってもらえるかもしれないじゃない?
ああいいね。
うん一品だけなら宣伝だと思って値段はあんまり高くしないほうがいいかな?
ああ…そうね。まずは食べてもらおう。うん。
やってみよう。ウフフ…。
やっぱりあなたがいてくれてよかった。
ビール。
あなたには渡さない #2
明日のオープンの前祝いにビールで乾杯しましょうか。
あっ俺が。
こっちに…来れば?
いや俺はここでいい。
ありがとう。
〈その時私は2人を隔てるカウンターが渡る事のできない深い川と同じだと思い知らされた〉
ねえあの人とは会ってるの?
あなたには渡さない #2
いやあっちも忙しいみたいで…。
♪~
なんで金を借りようと思ったんだ?
あの人から?
他にも貸してくれそうな人はいたんじゃないの?
あっ…それじゃあ意味がないもの。
私はあなたとあの人への恨みをバネにこの店を成功させたいの。
あとは亡くなったお義母さんもかな。
いったん水商売に手をつけると決めた以上私はあなただってあの女だって私自身だって利用し尽くすつもりよ。
だからあの女にも頭を下げる事ができた。
私が頭を下げに行けばあの女は絶対に得意がってお金をつくるって計算したから。
あっ今のはあなたにじゃなくて私自身に投げつけた言葉よ。
あなたには渡さない #2
あなたとはもう絶対に喧嘩しない。
だって今は共同経営者なんですから。
いや社長とただの板前だ。
♪~
ここの幅もう少し広くしてもらえばよかったかしらね。
〈もしもう私たちの間に埋められない距離があるというのならいっそもっと離れてしまえばいい〉
〈そう思う事が未練のようでどうしようもなく悔しかった〉
よし。
あなたには渡さない #2
〈「笹流れ」の樽が届いていた〉
〈旬平と多衣を繋ぐきっかけを作ったあの酒が…〉
お前が注文したのか?
まさか。
戸の開く音こんにちは。
よかったちゃんと届いてた。
本日はおめでとうございます。
あなたには渡さない #2
これ私からのお祝いです。どうぞ使ってください。
送ってくるならどうして前もって…。
ありがとうございます。
今日から3日間無料サービスなもので助かります。
3日も無料?
それちょっとむちゃじゃないかしら?
いいえ。花ずみを名乗る事を考えればゼロからの…いえマイナスからのスタートですのでいっそ思い切った事をしないとと思って。
相変わらず怖いもの知らずなのね。
まあ私はきちんとお金を返していただければそれで。
どうも。あら!
笠井あっ…取り込み中だったかな?
あっいえいえどうぞ。
♪~
ああ…あのこちらは金沢の造り酒屋の社長さんで矢萩多衣さん。
そしてこちらは私の昔からの友人で建設会社の社長をやってらっしゃる笠井芯太郎さんです。
あなたには渡さない #2
はじめまして笠井です。
はじめまして矢萩多衣です。
〈この時私は2人が初対面でないなどとは思いもしなかった〉
飲みに来られるの来週辺りになりそうだからまずお祝いをと思って。ああ…!
わざわざありがとうございます。
あの表のお花もありがとうございました。
じゃあ私はこれで。えっ?
とんぼ返りの出張なんです。新幹線の時間もあるので。
そうやって締めたのね。
ええきれいに咲いていますから。
♪~
お先に失礼します。
あなたには渡さない #2
お気をつけて。
♪~
どうぞおかけになってください。
今お茶いれますね。
いい店になりましたね。
いろいろお世話になりましてありがとうございました。
いやみっちゃんのため…。
かわいい妹分のためならどんな事だってしますよ。
♪~
あっどうもありがとうございます。
あなたには渡さない #2
どうぞどうぞ中のほうに。
〈こうして新生花ずみはスタートを切った〉
すいません。(八重)はい。
熱いのもう一本ください。
八重さんと佐知子義姉さんもボランティアで手伝いを買って出てくれた〉
〈初日を盛況で終えると2日目はさらに客が増え…〉
八重どうぞこちらに。いってきます。
申し訳ございません…。あっ…。
すいません申し訳ございません。
お待たせ致しました。
すいません鰆の竜田揚げは…?
もうちょっと待ってもらって。はい。
〈3日目旬平一人では限界が見えてきた頃…〉
あっすみませんただ今満席…。
あなた…。
矢場!
こんなの板長一人じゃ無理でしょう。
あなたには渡さない #2
すぐ着替えてきますんで。
おう急いで頼む!はい!
板長。おう。
〈そして開店4日目無料サービスの期間が終わりいよいよこの夜からが本番だった〉
通子八重いらっしゃいませ!いらっしゃいませ!
お一人様でいらっしゃいますか?
前田秀治若旦那お久しぶりです。
前田お元気そうで。
秀さんこそお変わりなく。
前田熱燗と料理は若旦那のおすすめを。
かしこまりました。
(八重)あの人花ずみで旬平さんの前に板長やってた人です。
あなたには渡さない #2
ああ…だから見た事ある気が…。
旬平さんのせいで花ずみを追い出されたと思ってるとこあって…。
今は確か勝浪の銀座店の板長かな。
勝浪ってあの有名な?
ありがとうございました。ごちそうさまです。
美味しかったよ。よかったです。
また来るから。ぜひまたお待ちしてます。
ありがとうございました。
前田ああ…こりゃ噂どおりだ。
いやねうちの客がタダに釣られて初日ここへ来たら(前田)いやまさかと思って確かめに来たんだがこりゃそう言われてもしょうがねえわ。
あなたには渡さない #2
ちょっとあんた…!矢場やめろ。
まあ勝浪の料理を食べてそれをまねしてくれてたんなら俺の腕を認めてくれたって事でそれは嬉しいんだけどね。
秀さん…。
料理人としてそれでいいんでしょうかね?
花ずみの名に懸けたって自分だけの工夫しないとね。
まあ花ずみっていったって雰囲気も…フフッ客層もだいぶ違うようだけどな。
あの…どのお料理が似てるんでしょうか?
似て当たり前でしょうが。
秀さんも旬平さんも先代の旦那さんの弟子なんだから。
兄弟弟子の味が似るのは当然じゃない。
いや俺はこの店の事が心配でさ…。
心配ならご無用。嫌み言うために来たんなら…。
わかったよ。今帰るとこだったんだ。料金。
あなたには渡さない #2
金は結構です。
秀さんがご自分で作れる味に金をもらうわけにはいきません。
大角六扇タダじゃないのか?
六扇開店記念で今日は金取らないんじゃないのか?
ああ…すみません。それは昨日までで。
ああ…そりゃ困ったな。
タダだと思って入ったから金はない。
えっ…。
前田じいさん俺が払ってやるよ。
年寄りに無銭飲食させるほどこの店は余裕なさそうだから。
ハハハ…。
いいんですよおじいちゃん。
今日初めて来てくださったんですから開店記念で。
前田さんも同じ理由でどうぞお財布はしまってください。
本日はありがとうございました。
あっ…だったらついでにあと5万ほど貸してもらえんかな?
あなたには渡さない #2
えっ…?(八重)はあ?何言ってるの?
女将さんさっさと帰ってもらいましょう。
あの…5万円も一体何に…?
いやどうも来る電車の中に財布を落としたらしくてな。
時間も時間だし…タクシーしかないし湯河原までまあ5万もあればなんとかなるんだ…。
どうかな?女将。
♪~
おじいちゃんこれは今日来てくれたお礼だから返さなくていいです。
その代わり今度来てくれる時はお財布を落とさないように気をつけてね。
あなたには渡さない #2
じいさんそういじめてやるなって。
素人同然の店なんだから。
まあ俺には関係ねえか。はいごちそうさん。
ありがとうございました。
お客さんもういいでしょ?さっさと帰ってください。
いや恵んでもらうわけにはいかんよ。
うーん…。
悪いが墨と筆となんか適当な紙はあるかな?
あっいえいえ借用書だなんて…。
墨と筆と…紙。
でもあいにく筆と墨のご用意は…。
うーん…。
あっじゃあ醤油でいい。
それから食紅と料理用のはけとあと紙…。
あっ…あれ外してくれ。
あなたには渡さない #2
えっ!?
♪~あなたには渡さない #2
あなたには渡さない #2
♪~
ああ…さっきのあの小切手代わりの書だがもしも気に入らなければ銀座の芳美堂という美術商に連絡してくれ。
「六扇の落書きがある」って言えばまあ10万以上の値で引き取るだろう。
あんたは先代の女将よりも肝が据わってるようだ。
そんなまさか…。まだまだ素人で。
いやあんたには持って生まれた華がある。
そんなまさか…。
あなたには渡さない #2
どうだ?私の絵のモデルにならんか?
えっ?
あんたの中の女を…本当の姿を描いてみたい。
まあ考えておいてくれ。
じゃあ失礼するよ。ありがとうございました!
♪~
私の中の…女?
♪~
〈あの老人は著名な日本画家大角六扇であった〉
〈その華の文字が福を呼んだのか旬平の料理のおかげか初々しい女将通子の人気か新生花ずみは順調に客足を伸ばしていた〉
あなたには渡さない #2
大変お待たせを致しました~!
今日も忙しかったわね。
ああ。大したもんだ。お前がここまでやるとはね。
ううん。あなたの料理のおかげです。
皆さん「美味しい美味しい」って食べてくださって私も味見と称してあなたの美味しい料理が食べられて得した気分。
お前のだって…。
えっ?
お前の料理はうまかった。
やだ~!もう何言ってんだか…。あっそういえばあれから来てくれないわね多衣さん。
ああ…。
繁盛してるとこ見てほしいのにな。
酒の仕込みの準備やらなんやらで忙しいんじゃないか?
じゃあ会ってないの?
…ああ。
ふーん…。
まあそうよね。こっちも忙しいし。
もう上がっていいか?お疲れさま。
お疲れ。
♪~あなたには渡さない #2
〈その日私は1回目の返済金を多衣さんに直接渡すために金沢に行くつもりでいた〉
〈ところが…〉
あっ…ありがとうございます。
でも驚きました。てっきり金沢だと思ってたから。
おかげさまで東京での取引も増えてきてて。
ホテル代が馬鹿にならないから借りたんですよ事務所代わりに。
場所も便利だしいいですね。
ええ。ここは使う者も限られてるのであまり事務所っぽくはないけど…。どうぞお茶。
あっその前に。
これ今月分です。
どうぞお確かめください。
♪~あなたには渡さない #2
確かに。
頑張られたようね。
ええ。でもこれも多衣さんがお金を貸してくださったおかげです。
本当に感謝しています。
いい顔してる。商売人の顔になってきた。
あら…!それなら嬉しいんですけど。
愛とビジネスを天秤にかけてビジネスを取った人だもの当たり前よね。
ただいま。
♪~
おかえりなさい。
なんで…?
さっき言いましたでしょ?
「ここは限られた者しか使わない」って。
あなたには渡さない #2
〈偽装離婚のはずだった〉
〈本当の意味で別れたのではないと思っていた〉
〈だがこれが現実なのだ〉
〈旬平と多衣は「会っていない」と言いながら通子をだましていたのだ〉
〈自分の胸の奥底に眠らせた未練という名の火種がいずれ激しい炎となるのを通子は予感せずにはいられなかった〉
〈このドラマの原作『隠れ菊』を抽選でプレゼント〉
あなたには渡さない #2
花ずみも経営は崖っぷち。(六扇)着てるものを脱いでくれ。
あなたには渡さない #2
金なら欲しいだけやる。
死んだ親父の愛人だ。
吉岡鶴代いいから酒持っといで。得意がってるのよあんた。
逆恨みするなんて愛人の風上にも置けやしない。
あなたには渡さない #2