2018年11月10日 23:15 - 00:05

あなたには渡さない #1

画像だけでダイジェスト

「ご主人をいただきにまいりました」…平凡な主婦の前に突然現れた夫の愛人!ここから正妻(木村佳乃)VS愛人(水野美紀)の恐るべき女のマウンティング合戦が始まる! 夫・旬平(萩原聖人)から「酒造会社の社長が来るから、迎えに行ってくれ」と言われた通子(木村佳乃)は、東京駅へ。男性社長だと思って待っていた通子の前に現れたのは、着物姿の多衣(水野美紀)。多衣は通子を自身が泊まっているホテルの喫茶に誘うと、勝ち誇った顔で言う。     「わたくし、ご主人をいただきにまいりました」ーー。    通子の幼なじみ・笠井(田中哲司)も巻き込んで、男女4人のドロ沼愛憎劇が幕を開ける! 上島通子…木村佳乃  矢萩多衣…水野美紀  矢場俊介…青柳翔  上島一希…山本直寛  上島優美…井本彩花  堀口八重…荻野目慶子  笠井芯太郎…田中哲司  上島旬平…萩原聖人 連城三紀彦『隠れ菊』(集英社文庫刊) 龍居由佳里 植田尚 沢田完    【主題歌】chay feat. Crystal Kay『あなたの知らない私たち』(Warner Music Japan)  【オープニングテーマ】FAKY『Last Petal』(rhythm zone) 【ゼネラルプロデューサー】黒田徹也(テレビ朝日)  【プロデューサー】川島誠史(テレビ朝日)、清水真由美(MMJ) ☆番組HP   https://www.tv-asahi.co.jp/anawata/  ☆Twitter   https://twitter.com/anawata_ex  ☆Instagram   https://www.instagram.com/anawata_ex/ 木村佳乃 / 水野美紀 / 青柳翔 / 山本直寛 / 井本彩花 / 荻野目慶子 / 田中哲司 / 萩原聖人 / 龍居由佳里 / 植田尚 / MMJ

♪~
上島通子〈料亭花ずみに嫁いで20年〉
〈専業主婦の私は結婚前のあいさつ以来この店に足を踏み入れた事はなかった〉
〈昨年死んだ姑のキクが私をここに近づけさせなかったのだ〉
あなたには渡さない #1
〈姑は小さな料理屋だった花ずみを一代でこれだけの料亭まで育て上げた人だった〉
〈彼女は優しい顔で私に言った〉
〈あなたに商売の苦労をさせるのは申し訳ない〉
〈息子のために家を守ってくれさえすればいいからと〉
〈私はのけ者にされていたのだ〉
〈女将だった姑と板長の夫そしてあの女から〉
〈私は決して許さない〉
〈私の戦いが今始まる〉
雷鳴
あれ?
あなたには渡さない #1
う~ん…。
やっぱり無理か…。
携帯電話の着信音あっ!やだびっくりした。
携帯電話の着信音
あっ…。
はーい。
上島旬平「俺だ。今から東京駅に人を迎えに行ってくれ」
えっ?えっ…今から?
「金沢から矢萩酒造の社長が来る」
12時に東京駅の京橋口に迎えに行ってくれ。
「えっ…矢萩…酒造?」
うちに日本酒を卸してくれてるとこだ。
迎えに行ってその足で…。
「銀座を案内してやってほしい。頼むな」
えっ?えっ?だって顔わからないわよ。
大丈夫だ。向こうはわかってる。
えっ?
「あっじゃあなんか目印になるものを持ってって」
あなたには渡さない #1
えっ?えっ?
♪~
♪~
やだ場所が違う?
矢萩多衣花ずみの若奥様ですね?
はい。
金沢の矢萩酒造の矢萩多衣と申します。
ご主人には6年前からお世話になってます。
あなたには渡さない #1
ああ…失礼致しました。上島の家内でございます。
やだ。私ったら社長さんと聞いていたのでてっきり…。
男性だと?すみません。
あの…でも今あちらからいらっしゃいました?
いいえ。昨日からこちらのホテルに泊まってますから。
えっ?
私ね今そこでずっと奥様の事見てたんですよ。
はっ?
奥様が振り向かれるのを待ってたんです。
えっ?30分もですか?
もう6年ですもの。今さら30分ぐらいなんとも。
あの…。
本当に後ろを振り向かれない方なんですね。
6年前にご主人がおっしゃったんです。
妻は一度前を向いたらずっとそのままで背中ばかり見せられてるような気がするって。
すみません。あの…何をおっしゃってるのか…。
あなたには渡さない #1
行きましょう。
あっ…あの…。
素敵なお花ですね。
花ずみの女将さんのご仏前に供えさせていただこうと思って。
えっ?失礼致します。
私はコーヒーを。奥様は?
あっ…ミルクティーお願いします。
かしこまりました。
亡くなった女将さん私の事とてもかわいがってくださってたんですよ。
義母の事もよくご存じだったんですか?
ええ。
この帯元々女将さんのなんです。
でも私に使ってほしいからって金沢にいらした時に持ってきてくださって。
義母が金沢に?
あなたには渡さない #1
ええ。仕事の息抜きにって何度か来てくださって。
でも義母は店の事ばかりで旅行なんて一度も…。
あっいけない。
そういえばお嫁さんには内緒にっておっしゃってたんだったわ。
そりゃ言えませんよね。
息子の愛人に会いに行ってるなんて。
えっ?
今なんて?
あら…私さっきごあいさつした時に言いませんでしたっけ?
わたくしご主人をいただきにまいりました。
6年前からご主人とは♪~
あなたには渡さない #1
♪~
多衣の声私ね6年もずっと金沢で待ってたんですよ。
愛し合うのは金沢でだけ。
でももうやめました。
だって奥様全然気がついてくださらないんですもの。
だからこれからは自分に正直に生きようって。
ご主人をいただいて2人で幸せになろうって決めたんです。
訳がわからないわ。
あなたには渡さない #1
私言いましたよね?
旬平さんはこの6年のうちに奥さんの背中を見るのに疲れ果ててしまったって。
何かを語りかけようとしても奥さんの背が拒んでるって。
変な事言わないでください。
初めて会ったばかりのあなたに私の何がわかるっていうんです?
私と夫の20年の何がわかるっていうんです?
じゃあ奥さんはわかってらっしゃるの?
ご自分やご自分たち夫婦の事。
ゆうべ旬平さんお帰りにならなかったでしょ?
疲れたから店に泊まるって。
あれ嘘ですよ。
だって私とこのホテルにいたんですもの。
奥さんが私たちの事遊びだと思ってたら大きな間違いですからね。
6年前に初めて会った時から私たちは本気だったんです。
あなたには渡さない #1
料理屋さんで旬平さんがうちの酒を飲んで花ずみでもぜひ出したいってうちの店に来てくれた時…。
今でもはっきり覚えてます。
多衣の声ガラス戸の向こうからこちらを見ていた旬平さんのあの目。
私あの目にひと目惚れしたんです。
急に来たのに工場まで見学させていただいて本当にすいません。いえ。
すいません。
♪~
多衣の声気づいたらあっという間に時間が過ぎていきました。
♪~あなたには渡さない #1
多衣の声なじみの旅館があって私のほうからお誘いしたんです。
♪~
多衣の声お銚子の九谷焼に似た派手なお布団でした。
多衣の声そのお布団の中でお互いのぬくもりを分け合った時の幸せだった事…。
やめてください!
そんな事妻に話す神経がわからないわ。
最初の晩の事は奥さんに全部知っておいてもらいたいんです。
だって奥さんがどんなに汚れた夜を想像したとしてもそれ以上に汚れた夜でしたから。
最初の晩最初の晩ってなんなんですか!
あなたには渡さない #1
15~16の娘じゃあるまいし。
たかが中年の遊びでしょ?
だから言ってるじゃありませんか。
私は本気だって。
1億払ってでも旬平さんを手に入れたいと思ってます。
私あの晩に鬼になろうと決めたんです。
どんなに汚いまねもする鬼に。
ファスナーを開ける音
あとは奥さんのサインと捺印だけです。
♪~あなたには渡さない #1
矢場俊介板長。八重さん…じゃなくて女将代理がお呼びです。ああ。
もう一人の保証人はそちらで用意してください。
こんなもの…。こんなもの?
だって…だって私ほんの2時間前までは普通に主婦やってていつもどおりだったんですよ。
それなのにいきなりあなたが現れて…。
こんなの「はいそうですか」って言えるわけないじゃないですか!
これ女将さんの遺言でもあるんです。
自分にもしもの事があったら息子と結婚してやってくれって。
もちろん旬平さんもご存じの事ですよ。
お嫁さんの事よっぽどご不満だったみたいで女将さんがおっしゃったあなたの悪口私全部覚えてますよ。
お教えしましょうか?
あなたには渡さない #1
結構です!
あなたはたかが6年聞いただけでしょうけど私は亡くなるまで20年もの間嫌と言うほど聞かされてましたから。
無言の言葉っていう一番残酷なやり方で。
それとあなたさっきから義母の事私よりよく知ってるって得意がってらっしゃるけど菊の花しか好きじゃなかった事はご存じなかったんですか?
このお花義母の仏前には不向きだわ。
主人に自分で持ってくるように言ってください。
これに関しては私主人としか話す気ありませんから。
それとさっき電話で主人にあなたを銀座に案内してやってくれって言われましたけどどうしますか?よかったら案内しますよ。
今のお話とは別にお酒の仕入れの事では間違いなくお世話になってるようですから。
あっ…。
あら驚いた。
普通の主婦だとか言っておいて随分と怖い事…。
私奥さんの事大嫌いです。
あなたには渡さない #1
そういう顔も知っていよいよ嫌いになったわ。
本当に嫌な女。
これは嫉妬じゃなくて心底憎んでるんです。
だって嫉妬しようにも旬平さんはもう私のものですからね。
私今鬼の顔してましたでしょう?
今のが私の本当の顔です。
覚えておいてくださいね。
私の一番汚い怖い顔をね。
♪~
あっ…私もちろん女将さんが菊をお好きだった事知ってますよ。
あなたには渡さない #1
でも私には菊を供える必要がないからこの花にしたんです。
だって私の体にはあなたの目には見えていない菊が咲いていますから。
女将さんが私に譲ってくださった…。
艶やかに燃える菊が。
♪~
〈これがこの2人の女の壮絶な戦いの幕開けであった〉
♪~
(呼び出し音)
あなたには渡さない #1
「はい」
本当なの?
…ああ。
だからサインを頼む。
電話を切る音
笠井さん…?
あなたには渡さない #1
笠井さーん!
笠井さん!
笠井さん!笠井さーん!
笠井さん!
〈その人は兄の中学時代からの友人で私を妹のようにかわいがってくれた人だった〉
笠井芯太郎みっちゃん!
〈懐かしいその姿にほんの少し心が救われる気がした〉
フフッ…。
あなたには渡さない #1
驚いたな。よくわかったね。
笠井さん全然変わってないもの。
いやいや…みっちゃんこそ全然。あっ兄に聞いてます。
お父様の跡を継いで社長にご就任されたそうでおめでとうございます。
まあ相変わらずの自転車操業だよ。
えっ何年ぶりだ?みっちゃん…みっちゃんの結婚式以来だよね?
あなたには渡さない #1
ええ。20年。
うわっ!ハッハッ…もうそんなかあ。
2人の笑い声
ごめんこれから仕事で人と会うんだ。
時間ある時連絡ちょうだい。飯でも食おう。
ありがとうございます。
今ちょっといろいろあるんですぐには無理ですけど…。
あっでも必ずご連絡します。
ぜひ。楽しみに待ってるよ。
じゃ。
♪~あなたには渡さない #1
ちょうどいい花瓶があった。どう?
うんいいね。
よかった。
ありがとう。
♪~
お義母さん…死んでまで意地悪して楽しいですか?
♪~
上島優美何やってるの?
ああ…!おかえり。
なんかお母さんちょっと肩痛くて。四十肩かな。
ほら手洗ったら?
(ため息)
あなたには渡さない #1
なんで…?
なんなのよ…。
多衣の声わたくしご主人をいただきにまいりました。
これ女将さんの遺言でもあるんです。
男と女としてお付き合いさせていただいてます。
向こうはわかってる。私奥さんの事大嫌いです。
本当に嫌な女。
♪~
おはよう!
あなたには渡さない #1
おはよう。
優美。お母さん今日出かけるから。
あっでも晩ご飯はちゃんと作っておくから悪いけど1人で食べてね。
聞いてる?
わかった。よろしい。
優美お父さんは?
えっ?
また泊まり?
うん。なんか忙しいみたい。繁盛してていい事よね。
ため息
♪~
笠井いやあ…来てくれて嬉しいよ。
あなたには渡さない #1
久しぶりに会ったのにこんな話もどうかなって思ったんですけど…。
昨日ちょっといろいろあってって言ってたろ?
気にはなってたんだ。
何があったの?
実は…お金貸していただきたいんです。
いいよ。いくら?
3000万?
とんでもない!そんな大金…。
じゃあ…300万?いえいえいえ…。
3万円です。
3万?
そんなに金に困ってるの?
…って事はないよな。あの花ずみの若奥さんが。
私…浮気されちゃって。
あの旦那さんが?
ええ…。
6年続いてた愛人がいたんです。
あなたには渡さない #1
でその人と結婚したいから別れてくれって言われて。
なんなんだよそれ。勝手すぎるだろう。
本当よね。このままじゃ私惨めなだけ。
だからひとつだけ決めた事があるんです。
でもその事に夫が稼いだお金を使いたくないの。
どうしても。
笠井返すのはいつでもいいから。
ありがとうございます。
なるべく早くお返しします。
あっ痛っ…!
はあ…。
あっ…ごめん!つい…。
子供にやってるもんだからつい…。
あなたには渡さない #1
あ…おいくつ?
まだ5歳。結婚遅かったから。
かわいい盛りね。フフ…。
あっもう全然大丈夫。これ洗ってお返しします。
あっもしよかったら…これ。
これも子供のだけど。フフフ…。
かわいい。ありがとう。
♪~
これからどうするにしてもむちゃはするなよ。
みっちゃん一度突っ走り出すと振り返る事を知らないとこあるからな。
ほら!中学の運動会。
号砲フライングの号砲
(通子の声)ああ~。フフッ…。
あなたには渡さない #1
そういえば私高校でもやってた。
2人の笑い声ほらな。
だから気をつけろよ。
困った事あったらいくらでも相談に乗るから。
ありがとうございます。
実は…あと2つお願いがあります。
なんなりと。
♪~(店内の音楽)
上島一希お待たせ。ありがとう。
で何?相談って。
うん…。
ねえ私もお兄ちゃんみたいに家出たい。
だったら優美も俺みたいにちょい遠い大学にすりゃいいじゃん。
あなたには渡さない #1
優美今出たいの。
なんか息苦しい。
っていうか私あの人無理。
いや…。
お母さん聞いたら泣くよそれ。
あの人さ自分が世界で一番正しいと思ってるんだよ。
そういうのすっごくウザい。
♪~
堀口八重いらっしゃいませ…あっ若奥様。
お久しぶりです八重さん。
ご無沙汰しております。
笠井さんっていう男性から予約が入ってますよね?
はい…。あれ私の予約なんです。
あっでも…夫には言わないでくださいね。
最後に板長があいさつに来る時に驚かせたいから。お願いね。
(矢場)板長味見お願いします。おお。
あなたには渡さない #1
うんいいよ。ありがとうございます!
♪~
〈初めて食べる夫の料理は美味しかった〉
あなたには渡さない #1
〈昔姑は息子の包丁には色気がないと言っていたけれど素人の私の舌をも色づかせるほど味に色気が感じ取れた〉
〈これが夫が6年前の一夜から身につけた色気なのだとしたら…あの女の肌からすくい取った色なのだとしたら…〉
雷鳴
♪~
〈もうすぐ八重さんがデザートを持ってくる〉
〈そのあとあの人が…〉
♪~
私今日は客として来ました。
あなたには渡さない #1
雷鳴
俺の料理はうまかったか?
ええとても。
できればもっと早くに知りたかったけど。
あの人との6年間の事教えてください。
彼女からもう聞いただろ。
あなたの口から聞かなきゃ信じられません。
6年前「笹流れ」という酒を気に入って彼女の店を訪ねた。
あなたには渡さない #1
ひと目惚れだった。
俺のほうから誘ってその晩金沢の宿で…彼女を抱いた。
その時から俺は彼女の体に溺れた。
今も溺れてる。
男が家庭を捨てるには十分な理由だろう。
今夜は最初で最後一度っきりの客だと思ったからいつもより包丁に気持ちを込めた。
あなたには渡さない #1
それもうまいはずだ。
食べてくれ。
ため息
私がいるって知ってたの?
八重さんがしゃべったのね。
違う。
黙っててくれと言われたけど笠井さんから俺に電話があった。
お前がここに来るって。
お義兄さんの友達だろ?
結婚式にいたのをなんとなく覚えてる。
通子さんは勝ち気なところもあるけど純粋な子です。
土下座して心から謝ればきっと許してくれます。
どうしてあなたにそんな事言われなきゃならないんでしょうか?
彼女は昔から僕の妹みたいなものなんです。
どうかかわいい妹を…。
「悲しませないでやってください」
通子の声私許しません。
あなたには渡さない #1
いくら笠井さんがとりなしてくれたって許せるわけがない。
ああ。だから俺も土下座はしてない。
大体…あの人もあなたもひと目惚れひと目惚れって。
その上最初の晩は自分から誘ったってかばい合ってるわけ?
私の事なんて一度だってかばってくれた事ないじゃない。
私だってねひと目惚れだったのよ。
本当はこんな大げさな料亭の一人息子と結婚なんかしたくなかった!
短大出てすぐ結婚なんてしたくなかった!
でもお見合いの席であなたを見た瞬間この人好きだなって思っちゃったんですもの。
だから結婚したしだから20年間も一緒に…。
あなたには渡さない #1
それなのにあの人まるで自分しかひと目惚れが起こっちゃいけないみたいに私には好きになる権利がないみたいに…。
お前の事彼女は石のような強さを持った人だと言ってた。
強いから裏切ってもいいって言うんですか?
私ね死にたいぐらい傷ついたのよ。
そんな私を知らないんだったらこの20年間振り返らなかったのあなたのほうよ。
私はただ前を向いてあなたと子供たちのために生きてきただけだわ!
お料理本当に美味しかったからご祝儀差し上げます。
♪~あなたには渡さない #1
やっぱりお前は振り返らないんだな。
まだそんな事…!?
ありがとう。
♪~
足音
♪~
ただしこれを有効にするためにはひとつ条件があります。
養育費や生活費の事なら精いっぱいの事をする。
その必要はありません。
明日から働きに出ますから。
もう仕事決めたのか?
あなたには渡さない #1
私…この花ずみの女将をやらせてもらいます。
えっ…!?
♪~
それは無理だ。
どうして?あの人が女将になるんですか?
違う。だったら…。
俺は今腹を立てている。
腹を立てる筋合いじゃないとわかっていて腹を立てている。
俺が振り返らないと責めながら自分のほうこそ振り返ろうとしないお前に腹を…。振り返ったわよ!
初めてあなたに会った時の事からこの20年間の…。
昔の俺なんかどうだっていい!
今の俺を…妻なら今の俺を振り返ったらどうだ?
一方的に妻の座から追っ払っておいて都合のいい時だけ妻だなんて言わないでよ!
テーブルをたたく音
明日の朝これを出すまではお前は俺の妻だ!
こうなったら無理にでも振り返ってもらう。
あなたには渡さない #1
ちょっと何…!?
(雷鳴)
あなたには渡さない #1
自分の目でよく見ろ。
雷鳴
来い。
八重旬平さん!
あなたには渡さない #1
矢場板長!乱暴な事は…。
雷鳴
これ…。
花ずみは…倒産する。
♪~
嘘…。
本当だ。
おふくろが死んで俺も初めて知った。
ひどい状態だった。
それでもなんとかだましだましやってきたけどもう限界だ。
なんで?
なんでそんな大事な事教えてくれなかったの?
繁盛してた時の花ずみには指一本触れさせないでおいて駄目になったから手を貸してくれとは言えないだろ。
でも言ってくれなきゃわからないわよ。
優美は「最近痩せたけど大丈夫か?」って心配してくれた。
あなたには渡さない #1
夫婦ならわかってくれるんじゃないかって…。
俺の甘えだったな。
この事あの人は知ってるの?
ああ。
雷鳴
若奥様申し訳ありません!
私はただの偽装離婚だと聞いててっきり若奥様もご承知の上なんだと思って保証人になってしまいました。
偽装離婚?
倒産した時の借金を若奥様が背負わなくてもいいようにと夫婦のままだと若奥様にも大きな迷惑がかかると聞いて…。
そうなの?じゃああの離婚届は偽装なの?
あの人が愛人っていうのも嘘?
彼女との事は全部本当だ。
じゃああの人との事はあってもあなたには偽装だっていう気持ちもあるっていう事?
あなたには渡さない #1
私や子供たちの事を思って…。
ああ。
たたく音
馬鹿にしないでよ!
♪~
〈結局私はどこまでいってもみじめなのけ者だった〉
♪~あなたには渡さない #1
じゃあよろしくお願いします。(従業員)かしこまりました。
あら。
♪~
♪~
これを渡しに来ました。
離婚届をわざわざ?
そちらで出していただいてよかったのに。
♪~
これ…。
離婚届は昨日出してきました。
なんで奥さんが?
もう奥さんじゃないわ。
なんであなたがわざわざこれを?
売りに来ました。
その婚姻届6000万円で買ってください。
あなたには渡さない #1
♪~
〈2人の女と2人の男〉
〈絡み合う愛と憎しみと欲望のその先にある壮絶な運命を今はまだ誰も知る由もなかった〉
♪~
料理屋をやります。新しい花ずみを始めます。
あなたには渡さない #1
あなたに賭けてみたくなったわ。安いものでしょう?
かわいい妹分のためならどんな事だってしますよ。
お気づきになってるのね。
私と旬平さんがいつも泊まっていた部屋です。
あなたには渡さない #1